お手紙 大塚さんは、編集者になられて今年で何年目になりますか?
大塚 8年目くらいですかね。実を言うと、はじめは一般企業に就職して、そのあと出版業界に入りました。もともとファッションが好きで、ファッション誌をずっとやりたいと思っていたのですが、ノーマークだったインテリア関連の雑誌に携わることに。
お手紙 今まで、主にどのような雑誌を手がけてこられたのですか?
大塚 『美しい部屋』や『かわいい生活。』など、主に雑貨やインテリアなどの生活実用の本を作ってきました。当初のスタートとしては、ファッション誌に携わるということは叶わなかったのですが、インテリアや雑貨とか実用の雑誌をやっているうちに、「この世界も好きだな」と思ってずっとやってきました。

お手紙 そして、今では念願叶ってファッション誌に携わることに。
大塚 はい。でも結果として、今までの経験があってよかったと思います。ファッション誌をやりたいといっても、モードなファッションではなく、暮らしから派生するファッションをやりたかったので。まわりまわって、気がつけば自分が一番好きな洋服の本を作れたってことが、本当にありがたいことだな、幸せだなと今になっては思います。
お手紙 やはり、昔から本がお好きだったんですか?
大塚 はい。小さい頃から本が好きで好きで…。そういえば、ある日家の片付けをしていたら、小さい頃にひとり編集長で作っていた冊子が出てきたんです。「チキンライスの作り方」とか「お子さまのお風呂の石けん遊び」とか…(笑)。小学生らしい内容なんですけど、この冊子を見つけたときは「私、この時から本づくりが好きだったんだな」と思いましたね。
お手紙 「お子さまの石けん遊び…」(笑)。
大塚 そう、自分もお子さまなのに(笑)。なんか、「泡を立てて…」とかいろいろ書いてあったかな? そういうページがあったかと思うと、ちゃんとお料理のページもあったりして。子どもなりにちゃんと構成されていて、思わず笑ってしまいました。
お手紙 大塚さんにとって、本づくりは仕事を超えた日常的なものなのかもしれないですね。
大塚 この仕事をやらせていただいて、本当にそう思います。やっぱり本を作ることは好きですね。買い物ももちろん好きですが、夢中になって読める本があることが一番幸せなので、そういう本を作っていきたいと思っています。
お手紙 ファッションが好きで、本づくりが好き。まさに今のお仕事がぴったりですね!
大塚 今まで洋服に散財していたのは無駄じゃなかったんだな、と思いました(笑)。本当に今までいろんな偶然が重なって、この仕事に辿り着いて…。いろんな方のおかげでここまで来れて、本当に有り難いと思います。でも、本づくりをする上で自分の感覚が時代の流れとずれてしまったらいけないので、日頃から物事を広く見るようにしています。
お手紙 本づくりにおいて、一番苦労されていることは?
大塚 やっぱり、どの本においてもネタ探しが一番苦労しますね。読者が憧れて、お手本になる方やお店を探すのが大変。比較的、ファッションはその方を見て判断することができますが、『かわいい生活。』などのインテリア雑誌となると、その方にお会いしただけでは家の中までわからないので本当に大変ですね。
お手紙 なるほど…。
大塚 あと、『かわいい生活。』も『ナチュリラ』も、その人らしさやオリジナリティがあるものをご紹介したいので、それを見極めるのにも神経を使いますね。なんだか、上からの目線で申し訳ないんですけれど…。でも、読者が見てがっかりするものは作りたくないので、慎重にじっくりネタ探しをしています。
お手紙 すべてご自分で見極めて、それをかたちにして世に出すことはとても勇気のいることだと思います。
大塚 そうですね…。なるべく物事を客観的に見るようにはしていますが、常に自分にダメ出しをしたり、本当にこれでいいのか?と自分に問いながら作っています。

お手紙 ネタ探しをはじめ、編集者だとその後の細かい作業もたくさんありますよね。
大塚 原稿だったり校正だったり、後半は細かい作業がずっと続くので大変ですが、その合間に『ナチュリラ』でお世話になっているブランドの展示会に出かけたりして、ほどほどに息抜きをしています。洋服が好きなので、かわいいものをみるとテンションがあがりますね(笑)。誘惑も多いけれど、やっぱり新作をいち早く見れるのはうれしいです。この仕事をしていてよかったなあと思います。
お手紙 ちなみに、本づくりで一番楽しいことは何ですか?
大塚 一番楽しいのは撮影で、自分が思い描く絵が撮れたとき。それがデザイナーさんの手によって素敵なレイアウトであがってくると、本当にうれしいですね。そして、本が出来上がって書店に並んだとき。やっぱりこの楽しさがあるから、どんなに大変でも頑張れちゃうんですよね。
聞き手●shachi
小さくてハッピーなリトルプレス「ユルリナ」を気まぐれで発行する、ファッションとおいしいモノが大好きな自称"乙女"。まもなく完成予定の最新号「ユルリナ05」の制作の裏側を綴った「ユルリナとわたし」が、来週より本サイトにて連載スタート!

