ゴロー スタイリストという職業になるための学校ってあるんですか?
岡尾 ありますね。私のときももうあったけど、自分とは別世界だと思っていたので選択肢になかったですね。
ゴロー そうなんだ。
岡尾 というか、私がそうだったからなんですけど、実践で身につくことが多いので、勉強は後ででもいいような気がする。それより洋服の構造をわかっていたりとか、イメージを持つことができるかどうかのほうが大事だから。
ゴロー ちなみに学校ではどんなこと教えているんだろう?
岡尾 洋服や帽子、コサージュの作り方とか、色のこと。洋服に関することを少しずつ、って感じみたい。
ゴロー へー。総合的にいろんなことを勉強するんだ。ところでスタイリストって具体的にどういう仕事をしているの?
岡尾 媒体によって違うんですけど、雑誌だとテーマをもらって、構成からレイアウトまで関わることができますね。広告だと監督やアートディレクターという人がいて、その人たちが思い描いている世界をかたちにしていく仕事なので、分業みたいなものですね。

ゴロー 雑誌だったら岡尾さんは監督の立場なんだ。こういうふうにしたいというイメージが作れるという。
岡尾 そうですね。編集的な仕事とかぶっていいますね。外国のファッション誌だと、編集者がスタイリストもするんですよ。
ゴロー へー。
岡尾 ゴローさんはどうやってプロになったんですか?
ゴロー 僕? 僕はですね。どこかに所属をしていたわけではないので、いつからプロになったかというのも難しいんですけど。誰かのレコーディングに呼ばれてお金をもらったことが最初かな。だから僕も就職をしたことがないんです。バイトは沢山していて、音楽をやる前は友達と会社を経営していたんです。
岡尾 えー。びっくり!
ゴロー 20代前半までは、友達3人で会社を経営していました。
岡尾 なんの?
ゴロー 広告代理店の下請けです。旅行のパンフレット作ったりとか、そういう仕事を。
岡尾 意外ですね!
ゴロー だから接待とかもしてましたよ(笑)。でも、3人でなんとなく会社を始めちゃったから、特に「やりたい」という強い意志もなくて。3人ともそんなにやる気がなくて。僕は音楽やろうかと思うようになって、もうひとりは旅が好きでどこかに行きたいみたいになって、じゃあ解散しようかって。お金を3人で分けてね(笑)。それから少しギターでも練習しようかなと。音楽を真剣にやりたいなって思ったのは20代後半ですね。
岡尾 そうなんだ。
ゴロー 岡尾さんもそうかもしれませんが、振り返ると、あの頃やっていたことって一生懸命だったんだなって…。それが職業になってしまった感じですよね。
岡尾 私もなんとなくスタイリストになった感じです。でも昔からこの世界に興味はあったので、ラッキーだなとは思いますね。ハードですけど。
ゴロー ハードですよね。仕事。
岡尾 前に京都で撮影があったとき、リースの下見をするために自転車で京都中をまわったことがありました。
ゴロー えー!
岡尾 でもそのほうが結局便利だったんですけどね。夜は足がつってしまって…みたいなこともありましたが(笑)。
ゴロー 監督兼、大道具、小道具をかねていますね。
岡尾 そうですね。昔、「オリーブ」の仕事をやっていたころはオリーブ編集部脇のソファで寝てたりしました(笑)。仮眠室もあったけど。スタイリストの道具箱には、ユンケルが入っていたりとか。
ゴロー スタイリストの道具箱なんてあるんですか?
岡尾 はさみとか糸とか、あと、いろんな秘密の道具(笑)なんかを入れてあるんです。
ゴロー へー。なんでもできますね。
岡尾 なんでもはできないですよ(笑)。でも、なにかができればいいんです。
ゴロー なにかが?

