【 この本を選んだ理由 】
『なおみ』『よるのびょういん』など、福音館書店のこのシリーズ(「こどものとも」シリーズ)には、写真好きの玄人も唸らせる写真絵本がいくつかあります。北島さんの希望を聞いたとき、このシリーズの写真絵本のことが、すぐ頭に浮かびました。写真絵本の名作といえば、タナ・ホーバンのものなど、ほとんどが洋書です。だから、和書の写真絵本を、一冊選びたいという思いもありました。
最後まで、『よるのびょういん』とどちらにしようか迷いましたが、“かわいさ”という点で、この『こっぷ』を選びました。
MILK for You
- 著者:G.WARREN SCHLOAT JR.
- 出版社:Scribner; Library Binding
- 発行年:1951年
- ハードカバー
- モダン・クラシック価格:6,800円
【 この本の調書 】
「where does milk come from?」
かわいい写真とイラストを使って、ミルクがつくられてわたしたちの身体に入っていくまでを、わかりやすく教えてくれる写真絵本。
著者の息子である、アンディ君とウォーレン君の兄弟が、農場で牛のお乳をしぼったり、牛乳を作る工場を見学したりします。
子供の知育を目的とした、実用的な写真絵本ですが、50年代のアメリカン・テイストが、思わぬデザイン効果で目を楽しませてくれます。
そして写真は、著者自らが撮影したもの。親にとって子供は最高のモデルです。この写真絵本のなかの、アンディ君とウォーレン君がとても生き生きとした表情をしているのも、撮影したのがパパだったからではないでしょうか。
【 この本を選んだ理由 】
いま、どこのスーパーへ行ってもバターがありません。我が家でもつい先日、最後のバターを使い切ってしまいました…。
このような状況のいま、大人も子供も、改めて 「where does milk come from?」 を考えてみるのに良い機会なのでは?と思い、セレクトしました。
LE BALLON ROUGE
- 著者:Albert Lamorisse
- 出版社:L'ECOLE DES LOISIRS
- 発行年:1995年
- ハードカバー(洋書)
- モダン・クラシック価格:3,500円
【 この本の調書 】
ある日、男の子は、大きな赤い風船と出会います。どうやらその赤い風船には、心があるようなのです。男の子がバスに乗るときも、学校へ行くときも、家に帰るときも、どこまでも着いてくる赤い風船。いつしかこの男の子と赤い風船の間には、特別な絆が芽生えてきます…。
1956年のカンヌ国際映画祭で、パルム・ドールを受賞した映画『LE BALLON ROUGE(アルベール・ラモリス監督)』の絵本版。友情、思いやり、絆など、人間にとって大切なことをおしえてくれる、心に染入る名作です。
映画が素晴らしいのは当然ですが、絵本としても評価が高く、世界各国で翻訳された名作写真絵本です。
【 この本を選んだ理由 】
この連載の第一回目のお客さまである北島さんが、映画が大好きで、いつか手紙社で映画を制作したいと、先日の「今日のお手紙」に書いていました。その北島さんが「かわいい写真絵本」をご希望ということで、この『LE BALLON ROUGE』をセレクトしました。
本編を見る機会が少なかったこの『赤い風船』ですが、2008年の7月に、全国でリバイバル上映されるそうです。
- 映画「赤い風船・白い馬」公式サイト
- http://ballon.cinemacafe.net/
【 依頼者の感想 】
写真絵本が好きです。日常生活で“写真絵本”という言葉を見つけただけで、なんだかドキドキしてきます。パソコンの前に座っているときなど、無意識に“写真絵本”というキーワードでググッている自分がいます。今回、「かわいい写真絵本」という曖昧な依頼であったにもかかわらず、本当に“かわいい”本を3冊も選んでいただいてうれしい限り。しかし3冊とも、表紙をはじめグラフィックデザインが素晴らしいですね。常日頃、良い写真(良くない写真も)を生かすも殺すもデザイン次第だと思っているのですが、その思いを再認識した思いです。
さて、さんざん悩んだ挙句、『こっぷ』は購入。『LE BALLON ROUGE』もかなり貴重な本らしいということもあり購入します。悩んだのが『MILK for You』。6,800円…。しかし、これは相当貴重な本らしい。そして何よりもかわいい! ああどうしよう! しかし、ここで逃すと出てこないかもしれないという理由をくっつけて購入することにしました。この3冊を見たいという方はこっそりご連絡くださいね。
- 『こっぷ』
- 『LE BALLON ROUGE』
- 『MILK for You』





【 この本の調書 】
この本は1972年に出版された、名作写真絵本の復刻版です。福音館書店は、谷川俊太郎と有名アーティストのコラボで、数々の素晴らしい写真絵本を生み出しました。なかでも一番“かわいい”といえば、この『こっぷ』ではないでしょうか。
「コップは水をつかまえる。煙もつかまえるし、犯人もつかまえる。虹もつくれるし、歌も歌える」
こっぷから広がるいろんな世界を、簡潔でユーモラスな写真と、谷川俊太郎のふくらみのある美しい日本語で表現。ちょっとした言葉をそえただけで、こっぷという無色透明の物体が、驚くほど多彩な表情をみせることに、誰しも驚くことでしょう。
アート・ディレクションは、創元推理文庫の抽象的なデザインで有名な日下弘。子供はもちろん、日ごろむつかしい本を読んでいる大人も楽しめる写真絵本です。